開発事業と埋蔵文化財の保護
     
1. 埋蔵文化財とは
 

埋蔵文化財とは、1950 (昭和25) 年の文化財保護法制定に伴い、新たに設けられた法的概念で、これまで一般に知られていた城跡・古墳・貝塚などの地表の観察で明らかなものの他、土中に埋没していて、にわかにその存在がわからない文化財も含みます。

 こうした埋蔵文化財は、日本人や日本の国家の成り立ちを探る貴重な歴史資料であるのみならず、日本人の文化的伝統や技術の発展、他民族との交流をたどる重要な資料でもあります。

 開発事業の策定にあたっては、事前にこれらの埋蔵文化財の適切な保護を図り、事業計画を立案することを求められています。

     
  2 埋蔵文化財保護の歩み
 戦後の遺跡濫掘についての反省から、1950(昭和25)年の文化財保護法で、初めて埋蔵文化財保護の条文が設けられました。その後、戦災復興の工事等で遺跡の破壊が相継いだため、1954(昭和29)年に土木工事や開墾などの埋蔵文化財調査以外の発掘について、届出制度が設けられました。

 高度経済成長とともに、大規模な国土開発が進むなか、1958(昭和33)年以降高速道路や新幹線建設に伴い、原因者負担で遺跡の発掘調査が行われるようになります。この原因者負担原則がその後の開発事業に伴う発掘調査の費用負担原則として、受け入れられるようになります。

   
3 神戸市の埋蔵文化財保護行政
 
  神戸市では、1983(昭和58)年以降、神戸市埋蔵文化財分布図を毎年刊行し、市内の周知の埋蔵文化財包蔵地の更新を行っています。これにより、事業者が開発予定場所を事前に神戸市埋蔵文化財分布図で確認し、埋蔵文化財の保護を図りつつ、開発事業の計画ができるよう指導しています。

 周知の埋蔵文化財包蔵地内は、すべての開発行為について、開発面積の多少に関わらず、届出を求め、必要とされる保護策を指示し、都市計画法にもとづく開発行為については、500u以上の事例について、届出や事前試掘調査の必要性の有無を指導しています。